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キーツの足跡を訪ねて

キーツの歩いた所を自分で歩いてみたくなり、英国に出かけました。
そのときの写真の一部を公開します。
(写真の著作権は田中にあります。無断転用を禁じます。)



ウィンチェスター
1819年夏から秋にかけてキーツはウィンチェスターに滞在しました。
この古都をキーツは大変気に入っていたようです。
そしてその9月19日にオード「秋によせて」を作りました。

To Autumn

Season of mists and mellow fruitfulness,
Close bosom-friend of the maturing sun,
Conspiring with him how to load and bless
With fruit the vines that round the thatch-eves run;
To bend with apples the moss'd cottage-tree,
And fill all fruit with ripeness to the core;
To swell the gourd, and plump the hazel shells
With sweet kernel; to set budding more,
And still more, later flowers for the bees,
Until they think warm days will never cease,
For summer has o'er-brimm'd their clammy cells.
(1-11)

キーツの散歩コースというのが手紙の中で紹介されています。夕食前に一時間かけて歩いたようです。その散歩道を辿ってみました。

ウィンチェスター大聖堂
散歩の出発点がこの大聖堂。
キーツの手紙を引用してみよう。"I go out at the back gate across one street, into the Cathedral yard, which is always interesting; then I pass under the trees along a paved path, pass the beautiful front of the Cathedral, turn to the left under a stone door way ---then I am on the other side of the building --- which leaving behind me I pass on through two college-like squares seemingly build for the dwelling place of Deans and Prebendaries ---garnished with grass and shaded with trees. "(Letters 2 209)

大聖堂の中。
"Then I pass through one of the old city gates "(Letters 2 209)
キーツが"old city gate"と言っているのがたぶんこのKingsgateの事です。

ウィンチェスター大学の隣を流れるイッチン川。数々の伏流があります。川の向こうの芝生ではサッカーをしている学生たちの姿がみられました。
川の途中の橋。
"...and then you are in one College-Street through which I pass and at the end thereof crossing some meadows and at last a country alley of gardens I arrive, that is, my worship arrives at the foundation of Saint Cross, which is a very interesting old place, both for its gothic tower and alms-square and for the appropriation of its rich rents to a relation of the Bishop of Winchester ---Then I pass across St Cross meadows till you come to the most beautifully clear river "(Letters 2 209)
散歩の終着点がここ、聖クロス・ホスピタルです。残念ながら帰り道については言及されていません。
ウィンチェスター大聖堂より南東にある丘が、St Catherine's Hillです。ここからキーツは町並みを眺めたのでしょう。
ワイト島

ワイト島はイングランドの南部にある島で、保養地として知られています。
キーツも1819年夏この島に滞在しました。

キーツがワイト島に滞在していた時、泊まっていたホテル。シャンクリンにあります。
現在はキーツホテルと云う名前になっています。私は残念ながらここには宿泊しませんでした。
シャンクリンはわらぶき屋根の古い町並みが残っており、それを目当てに訪れる観光客がいっぱいでした。
カリスブルック城。
イタリア・ローマ


結核を患ったキーツは転地療養のためイタリア・ローマに行きます。
キーツが住んだスペイン階段脇の部屋はキーツ・シェリー記念館となっています。

キーツのお墓はキーツの客死した土地ローマの外国人墓地にあります。
これはキーツの墓への案内板。
キーツの墓は奥の混み合っていない広々とした場所にあります。
隣はキーツの最後を看取ってくれたセバーンのお墓です。


Works Cited.
Rollins, Edward, ed. Letters of John Keats 1814-1821. 2vols. Cambridge MA: Harvard UP, 1958.


キーツの足跡を訪ねて2(湖水地方・ロンドン)へ
<yuka@ruri.waseda.jp>

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